先輩からのメッセージ
自分の境遇や人生を受け入れる強さは大切
中央高等学院に入学したきっかけは?
自分は中学1・2年の頃にゲームにどっぷりハマってしまっていました。世間一般で進学校と呼ばれるような中高一貫校に通ってましたが、中3ぐらいからちゃんと勉強しないとついていけなくなってしまいました。学校には行ったり行かなかったりが続いて、完全な不登校というよりサボっちゃった感じです。中3の時の担任の先生から、このまま高校に進学はできるけど、他に公立や私立の高校を受験したり、通信制の高校に行く道もあるということを教えてもらったことが最初のきっかけです。それで通信制の学校を自分でネットで調べて、自宅から近かったので中央高等学院を選びました。
中央高等学院に入学してどれくらい登校していましたか?
1年生の時はちゃんと来ていて、2年で大学入試コースになってからも来てました。
普通に学校に来るというよりは、友だちに会いに行く場所、居場所みたいな感じで来れていたのかなと思います。
3年生になって勉強がイヤになってしまい、今思うと大学受験と向き合いたくなくて学校に行かなくなりました。確か高3の夏の終わりぐらいから学校に行かない日が多くなったと思います。
高3になって登校できなくなって大学受験はどうしましたか?
高3の前期をのらりくらり過ごしていたら大学入試の時期が終わりかけてきて、さすがにどこか受験しないとヤバいだろうとようやく思い始めました。自分はいろいろなことに満遍なく興味があって、理系文系問わずいろいろやってみたいと思っていたので、先生から薦められたリベラルアーツ学部のある大学を受験して、ギリギリのタイミングで合格できたという感じです。
高校生活で印象に残ってることは?
間違いなく御宿での集中スクーリングですね。自分は旅行がすごく好きだったので、御宿の土地そのものも良かったです。程よく都会の喧騒から離れたところが気に入りました。宿舎に泊まる際の班分けも先生が気を遣ってくれて、仲の良い友だちと一緒でしたし。ある時、僕がプロジェクターとスピーカーとパソコンを宿に持ちこんで、 夜部屋でプロジェクターで映画を観る会を開いてたんですけど、先生も一緒になって観ていました。静かにしろとか、早く寝ろとかじゃなくて、そういう風に一緒に楽しんでくれる先生だったので、思い出を作ってくれたんだなって 今は思いますね。
大学に進学して成長を実感できたことは何ですか?
自分は高校までの勉強が大嫌いで、ずっと逃げたりサボったりしてまた。進学したリベラルアーツ学部では、いろんな学問分野を横断的に学べるんです。1、2年の頃は、社会学系、文学部や観光学部の授業、作曲やコンピューター音楽など芸術学部の授業だったり、いろんな学部の授業をバイキングビュッフェみたいな感じで取ることができて、自分にはピッタリの学部だったかなと思ってます。
3年次からは社会学を専攻して、「居場所」や「サードプレイス」を卒論のテーマにしました。居場所として感じられる条件や要件について研究したんです。もともと、中学生、高校生の頃からずっとそういうことを大学で研究したいなと思っていました。 それこそ通信制の学校って、「サードプレイス」というか、セーフティーネット的な役割があると思うんですけど、大学でそういうものの実態調査や分析ができました。そのことで、自分自身についても深く知ることができたのかなと思います。大学での研究によって壮大な自己分析ができたのかもしれません。
就職活動はどのように進めていきましたか?
就職先はIT系の企業です。
就活を始めたのがは4年生の5月とか6月ぐらいでした。 最初は営業職だったり、いろいろな業種を研究しました。そのなかで、昔から一緒にゲームを遊んでいる人たちの共通点が、it系の会社で働いていて自宅でテレワークをやってる人が多かったんです。僕自身も仮想空間というか、ゲーム内の人間関係を大切な居場所として感じていて、これからもゲームを続けたかったので、同じような業種に進みたいと思い、IT業界に進むことに決めました。
通信制高校やサポート校に入学を検討している人にメッセージをお願いします。
こういう高校を探している人って、今通ってる中学や高校に十分な満足感を得られてなかったり、そこが「居場所」であると感じられていない人だと思います。僕は高校1、2年の時は友だちと会うために学校に来ていて、本当に自分の「居場所」だと感じられました。今の学校とは別に、居場所を求めている人には通信制高校を選択するのはアリなんじゃないかなって思います。
これから社会に出ていく後輩にメッセージをお願いします。
「なるようになる」と自分は思っています。
少なくとも自分の中学、高校、大学の学生時代は順風満帆な人生とは言えなかったと思います。中高一貫校のレールから1回外れてしまったので。
でもレールを外れてしまっても、その境遇を受け入れる強さ、自分の人生を受け入れる強さは大事かなと思っています。例えば大学に進学したり会社に就職する時に、それが自分が望んだ第1志望とは違っていたとしても、 その場所で思いっきりやればそこで人間関係もできるし、やりたいことや楽しいことをたくさん経験できると思うので、 あんまり悲観的に考えずに、受け入れながら、折り合いをつけながらやっていくのが重要なのかなと思います。